「私立恵比寿中学迎春大学芸会 ~forever aiai~」を観てきました

1月3日に日本武道館で行われた、私立恵比寿中学出席番号6番、廣田あいかさんの転校公演「forever aiai」を観てきました。非常に興味深い内容で、語りたくなるような公演でした。

概要

ライブの概要については、ナタリーのレポートを参照ください。

natalie.mu

ナタリーのレポートから、セトリを引用しておきます。

01. ポップコーントーン
02. YELL
03. きっとインフィニティー!
04. EBINOMICS
05. 売れたいエモーション!
06. 全力☆ランナー
07. フユコイ
08. なないろ
09. 感情電車
10. ebiture
11. MISSION SURVIVOR
12. 大漁恵比寿節
13. 金八DANCE MUSIC
14. いつかのメイドインジャピャ~ン / くっつきブンブン
15. HOT UP!!!
16. サドンデス
17. ちちんぷい
18. CHAN-CHARA-CHAN
19. 幸せの貼り紙はいつも背中に
20. まっすぐ
21. 靴紐とファンファーレ
22. お願いジーザス
23. 大人はわかってくれない
24. 放課後ゲタ箱ロッケンロールMX
<アンコール>
25. シンガロン・シンガソン
26. えびぞりダイアモンド!!
27. ラブリースマイリーベイビー
<ダブルアンコール>
28. シンガロン・シンガソン

普段はオープニングを飾るebitureが10曲目にあり、シンガロン・シンガソンをアンコールとダブルアンコールの2回にわたって披露したことが目を引きます。

演出の意図については、廣田さん本人がブログで語っているので、こちらもご参照ください。

lineblog.me

読み取れること

アルバム『エビクラシー』の位置づけ

最新アルバム『エビクラシー』収録曲は2曲しか披露されず、しかも「衝撃の事実が発覚しました! ここからが本番のようです!」というセリフの前に歌われたということが特徴的です。

つまり『エビクラシー』は、ライブ本番前に歌われただけということです。さらに『エビクラシー』で廣田さんがフューチャーされた「コミックガール」は歌われずに終わりました。「シンガロン・シンガソン」を2回歌う時間があっても、「コミックガール」を歌う余地がないということは、非常に考えさせられます。

10曲目のebiture以降について廣田さんは「"中学生"らしく大暴れできる楽曲を詰め込んでみました!」とブログで語っています。この言葉から、廣田さんにとってアルバム『エビクラシー』がどのようなものであったのかはっきり分かります。

すなわち、アルバム『エビクラシー』は、廣田さんにとって「中学生らしくない」アルバムであったということです。そしてそれ故、「コミックガール」すら歌われることがなかったのです。

廣田さんの考える「中学生らしさ」

廣田さんは「気持ちとか泥臭さがエビ中の好きな部分だし」*1と述べています。その「気持ち」や「泥臭さ」を表現するのが、後半の楽曲群ということになります。

そこで目に付くのは、「MISSION SURVIVOR」や「ちちんぷい」、本編ラストの「放課後ゲタ箱ロッケンロールMX」などのアップテンポで踊りの激しい曲です。廣田さんにとって「中学生らしく大暴れ」できる「泥臭い」曲というのは、言葉通りアップテンポで踊りが激しめの曲ということになります。

語弊を恐れずに言えば、廣田さんにとって「中学生らしさ」というのはなにか高尚で思想的な概念ではないということでしょう。激しく歌い激しく踊る、観客もコールで盛り上がる、というむしろ即物的なあり方が廣田さんにとっての「中学生らしさ」だということです。

エビ中廣田あいかの別れ道

 私立恵比寿中学廣田あいかが道を違えた理由もここではっきりします。アルバム『エビクラシー』は激しく歌い激しく踊るようなものではありませんでした。廣田あいかが考える「中学生らしさ」が失われてしまう以上、エビ中で中学生を続けることに意味を見出せなくなってしまったのでしょう。

この日のライブを観て私は、はっきりと私立恵比寿中学廣田あいかの道が別れていく姿がみてとれました。廣田さんの転校は残念ですが、道が完全に別れてしまった以上、こうなるしかないのだなということがよく分かりました。

最後に

廣田さんは転校を表明して以来、アイドルであるうちは今後の活動について表明しない方針のようでした*2。しかし、転校ライブ後のブログでも今後の活動について表明することはありませんでした。何か仕事は決まっているかもしれませんが、今後どのような方向で活動していくかといった指針の表明はありませんでした。ひょっとしたら、まだ彼女も方向性を模索中なのかもしれません。

しかし、どのような活動をしていくにせよ、廣田あいかさんの今後に幸多からんことを祈っています。

*1:Quick Japan』vol.133、太田出版、80頁

*2:今後の予定は
未定とさせて下さい。
1月3日まで
アイドル
全力で
突っ走らせて頂きます!」

https://lineblog.me/ebichu/archives/13151622.html