私立恵比寿中学の小林歌穂さん主演の連続ドラマ、「また来てマチ子の、恋はもうたくさんよ」を楽しく観ています。初回の感想を書く時間がなかったので、第1話と第2話の感想をまとめて書きます。
ネタバレがありますので、まだ観ていない方は、見逃し配信の方を必ずご覧になってください。
gyao.yahoo.co.jp見逃し配信を視聴しましたか？では、感想を書きます。
第1話感想
第1話は、「寅さん」で有名な「男はつらいよ」を意識した構成になっています。
- 旅から家に戻ってくる。
- 恋の橋渡しをする（自分も恋してしまう）。
- カップルの恋愛を成就させ、自分はまた旅に出る。
これらは「男はつらいよ」で繰り返される構図となっています。また、主人公のマチ子の衣装やキャリーバッグなども寅さんを彷彿させるようなデザインになっています。
ラインやインスタグラム、転売など現代的な問題を提示することによって現代の女子高生版「男はつらいよ」という趣をみせます。
しかし、現代版「男はつらいよ」にはならないということも、同時に暗示されています。
それはセーラー服を着た謎の女性の存在と、ラストのハブに噛まれたシーンです。
セーラー服を着た謎の女性が主人公たちの部屋を覗いており、またわずかな所持金を賽銭箱に入れて一文無しになったクズ社長の手をつかむなど、通常の人情ドラマとは違う側面があるということが暗示されています。
また、ヘリで空輸した紅芋タルトの袋の中にハブがいて、そのハブに噛まれて主人公のマチ子が倒れてしまうということも示唆的です*1。現実では紅芋タルトの紙袋にハブが混入するということはあり得ません。「男はつらいよ」などの通常のドラマ・映画でも起こらないでしょう。つまりこのことは、現実ではあり得ないこと、また普通のドラマでもあり得ないことが起こるということが提示されているのです。
第1話は、現代女子高生版「男はつらいよ」の見せかけをもちながら、「男はつらいよ」よりもあり得ないことが起こる世界であることが提示されていました。
第2話感想
第2話は、第1話と同じ1月20日を繰り返しています。
- 日めくりカレンダーの日付が同じ1月20日。
- スマートフォンの日付も1月20日。
- 冒頭のタモツ、カオリ、クズ社長の会話が第1話と同じ。
- 第1話でマチ子が受信したものと同じラインを受信している。
以上の理由から、第2話も同じ1月20日を繰り返していることが伺えます。日めくりカレンダーだけならば、めくり忘れということもあり得ますが、ここまで証拠があるならば1月20日を繰り返していると考える方が自然でしょう。
ただし、第1話の影響を受けて行動が大きく変わった二人がいます。
- 第1話でハブに噛まれて倒れた影響か、第2話では葬儀場の近くで倒れるところからスタートする（第1話では泊めてもらった友人と会話するところからスタート）。
- 葬儀場の近くでマチ子を助けた老人の願いをかなえることが優先され、第1話では読まれていた友人の彼氏のラインが無視される*2。
- 一文無しになってしまった影響か、クズ社長は元手のかからないユーチューバーを目指している。
その結果、物語は大きく異なる展開を見せることになります。しかし、予備校のお金に手を付けたマチ子が最終的に家出をするというラストは変わりません。また、第1話同様、セーラー服の謎の女性は家を覗いており、また賽銭箱にお金を入れたタモツに話しかけます。
ここから、1月20日が繰り返されたのは、セーラー服の謎の女性の影響であることが推測できます。時間を巻き戻す力を発揮できるのは、賽銭箱にお金を入れたからという可能性が高そうです。
なぜ時間が巻き戻るのか？
なぜセーラー服の謎の女性が時間を巻き戻すのでしょうか。理由はいくつか考えることができます。
- セーラー服の謎の女性は、祠に祀られている神であり、賽銭箱にお金を入れた者の願いをかなえるため、時間を巻き戻した。第1話から第2話にかけては、一文無しになったクズ社長を助けるため、1月20日のお金のある段階まで戻した。
- セーラー服の謎の女性は、タモツとカオリの子供もしくはマチ子の子供であり、1月20日を上手に乗り切るために介入している。具体的にはタモツとカオリの恋を成就させる、もしくはマチ子の恋を成就させるため。
- 1月20日にマチ子が家出をすると、ハブに噛まれるなど、必ず死を迎えてしまう。そのため、マチ子が家出しない1月20日を迎えるためにセーラー服の謎の女性が介入する。「恋はもうたくさん」というタイトルから推測するに、恋をせずに一日を終えるのが目標か（失恋すると家出するため）。この場合も、謎の女性は未来から来た誰かの子供である可能性が高い。
他にも可能性は様々にありそうです。今後の展開によって、謎の女性の目的、時間が巻き戻った理由が見えてくるようになるでしょう。
このドラマの今後の展開が楽しみです。
