村星りじゅの冒険は続く

村星りじゅ生誕ライブ~Blue Star~に行ってきました。村星りじゅさんの魅力が詰まったライブで、「生誕ライブ」を祝いに来ているファンに甘えない、エンターテイメントとしてしっかり成立したライブでした。

全体を通して感じられたのは、村星りじゅという人の意志の強さ、内面の強さでした。どんな風の強い日でも歩みを止めない、進み続ける人間の覚悟、心の強さが透けて見えるようなライブでした。

セトリ

M1. wonder little love / ukka
M2. Danceでバコーン! / ℃-ute
M3. BiSH―星が瞬く夜に / BiSH

M4. 私は最強 / Mrs. GREEN APPLE
M5. コズミック・フロート / ukka
M6. ラブリースマイリーベイビー / 私立恵比寿中学

転換VTR

M7. EZ DO DANCE / TRF

M8. 愛しさと せつなさと 心強さと / 篠原涼子
M9. GLAMOROUS SKY / 中島美嘉

M10. Glow-up-Days / ukka
M11. ジャンプ / 私立恵比寿中学

EN1. マジ感謝 / Team Shachi

EN2. 吼えろ / ももいろクローバーZ

挑戦的なセトリ

M4「私は最強」を歌い出す前に、村星りじゅさんは「この曲にとても励まされました。去年も歌いたかったけれども、まだ力不足だと思ってやめましたが、今年は歌いたいと思います」と宣言しました。去年諦めた曲に挑戦し、強い地声で歌い切る。去年よりも一歩でも先に進んでいる姿を見せようとする、思いの強さが鮮烈に響きました。

M7「EZ DO DANCE」やM8「愛しさと せつなさと 心強さと」も、小室哲哉の手による高音域に特徴のある曲。村星りじゅさんは「高音を歌うのが好き」と語ってもいましたが、チャレンジングな選曲であったことには違いないでしょう。

また、M11の私立恵比寿中学の「ジャンプ」では一転して、低音の力強さも披露しました。エビ中メンバーの魂をぶつけるような歌唱が印象的な曲ですが、村星りじゅさんはひたむきにまっすぐに、曲と向き合っていたように感じました。迫力のある歌声で、曲の世界観を見事に描き出していました。

要所に配置されたukkaの楽曲も、2023年に発売されたものだけ。個人フィーチャー曲として歌いこんできたであろう「Shining City Lights」もセトリから外れています。2022年以前の村星りじゅではなく、2023年の最新の村星りじゅを見せたいという気持ちが感じられるセトリでした。

高い壁に立ち向かい、乗り越えていく村星りじゅさんの姿は、どこか少年漫画の主人公を彷彿とさせるものです。壁にぶつかる時もあったでしょう。逆風の強さに目を開けられないと思った瞬間もあったかもしれません。でも、歩みを止めることだけはしなかった。そして、気が付けば、越えられないように思えた壁も乗り越えて進んでいる。まっすぐに進み続けたその軌跡は、とても尊いものだと私には思えます。

八年間続いたよ

途中、インスタで募集した質問に答えるコーナーがありました。そこで「昔の自分に、なんて声をかけたいか?」という趣旨の質問がありました。村星りじゅさんはきっぱりと、「八年間続いたよ。レッスンに行きたくないと泣いていた自分に、それでも八年間続けられたよって言ってあげたい」と明るく答えました。

ukkaの前身の桜えび~ず発足時点では、村星りじゅさんは歌もダンスも得意なメンバーではありませんでした。BSフジのテレビ番組「エビ中++」では、お披露目ライブでミスをして涙を流す村星りじゅさんの姿が収められています。歌が上手かった水春さん、川瀬あやめさん。ダンス経験者だった茜空さん。アイドル経験者だった桜井美里さん。そんなメンバーに囲まれて、徒手空拳でアイドルの道に入った村星りじゅさん。

なにか武器をもっていたわけではない。それでも歩みを止めず、八年間まっすぐに努力を続けてきた。その結果、今では曲の重要なパートを任されるような、歌唱力抜群のメンバーと見なされるようになりました。ダンスも、長い手足を活かしたダイナミックな表現は、見ている者の目を惹きつけます。気が付けば、たくさんのものを手にしていたのです。

青く燃える星のごとくに

ライブのタイトルに使われている「Blue Star」は、花の名前から採られたそうです。それでも私は、「青い星」に「村星りじゅ」を重ねてしまいます。青い星は、恒星の中でも最も温度が高く、巨大なエネルギーを秘めた星。青い炎は一見すると冷たく見えますが、最も熱い。クールビューティーな見た目に反して、誰よりも熱い内心を秘めているのが村星りじゅさんだ、私にはそんなふうに感じられます。

アニメ「ワンピース」が好きだと語る村星りじゅさんは、同じような熱い物語をアイドルとして紡いでいるのではないでしょうか。

モデルのような整った顔立ちに、とても丁寧で優しい性格。でも、村星りじゅさんの生誕ソロライブは、縦ノリ系の熱い楽曲が多い。秘めたる情熱のエネルギーが迸るような熱いライブこそ、村星りじゅさんの真骨頂のように思えるのです。

今年の生誕ライブのアンコール最後の曲は、ももいろクローバーZの「吼えろ」でした。「吼えろ~!」と吼える村星りじゅさんは、誰よりも熱く、誰よりも強い人だと私には感じられました。

村星りじゅの物語は続く

一つ、私が確信していることがあります。それは、素晴らしかった生誕ライブも、到達点ではなく通過点であるということです。昨日より今日、今日より明日、前進を続けている村星りじゅさんにとって、次のライブの方がもっと凄いことになることは間違いないのです。

八年もの間、少しずつでも決して歩みを止めることなく進み続けている村星りじゅの物語は、常に最高を更新しながら続くのです。今まで見ることができなかった、そんな素晴らしい景色へと、私たちを導く物語が。