私立恵比寿中学ニューアルバム『indigo hour』が大傑作になりそうな予感

私立恵比寿中学のニューアルバム『indigo hour』のプレリード曲として「BLUE DIZZINESS」のMVが公開されました。この曲とMVが素晴らしすぎて、アルバムへの期待が爆発的に高まっています。

youtu.be個人的に良かったと思える点をいくつか列挙していきたいと思います。

エビ中正統進化の系譜

ベスト盤やライブ盤を除いた私立恵比寿中学のアルバムは、以下のタイトルになっています。

  1. 中人
  2. 金八
  3. 穴空
  4. エビクラシー
  5. MUSiC
  6. playlist
  7. 私立恵比寿中学
  8. indigo blue

並べてみると分かりますが、タイトルの傾向も4作目以降から変わります。左右対称の漢字2文字縛りがなくなります。アルバムの構成も、語りや寸劇的なinterludeがなくなり、楽曲のみで構成されるようになります。

3作目の穴空は非常によくできたアルバムで、それまでの路線の完成形とも言える傑作でした。運営としても、この路線上でさらに越えていくことが難しいと感じたのではないか。そう思わせるようなタイトルや構成の路線変更でした。

4作目以降のエビ中は、音楽性を突き詰めつつ、エビ中としてのアイドルポップスに落とし込む方向へと進みます。尖った音楽性の楽曲を、エビ中メンバーの多彩な歌声というフィルターを通して、アイドルポップスに変換していくような作風です。

こうした流れを継いだ、正統な系譜上に「BLUE DIZZINESS」が位置付けられます。K-POPっぽくも聞こえますが、むしろK-POPが参照している音楽まで遡って、参照先のジャンルを咀嚼し尽くして、エビ中的なアイドルポップスに消化/昇華した曲となっています(配信シングルであった「summer glitter」も同様でした)。

何かの模倣ではない、エビ中だけが歌えるアイドルポップスになっているのです。

エビ中の個性を活かす楽曲構成の妙

今までのエビ中の音楽の系譜上にあるだけでなく、その音楽がまさに、メンバーの個性を活かす形となっているという点も注目に値します。小久保柚乃さん、仲村悠菜さんの2人は、非常にクールな声質です。このクールな声を活かすように、全体のトーンは温度感低めになっています。しかし、要所要所で閃光のように熱量のあるボーカルが交錯します。青春の心の揺れが、タイトル通り、「BLUE DIZZINESS(青い眩暈)」として現れてくるのです。

またこの曲では、HIP HOP系に強みを発揮する桜木心菜さんを活かすメロディーのフロウや、ラップが印象に残ります。歌い出しを務める彼女が、曲の物語の開幕を鮮やかに告げます。そして、万能型の風見和香さんと歌唱力のある桜井えまさんが楽曲を引き締める。その上で、個性豊かな年長メンバーの歌声が楽曲の物語に華を添えます。

特に、終盤の仲村悠菜さんの「見えない敵は自分自身だから」というフレーズの後の、星名美怜さんから安本彩花さんのリレーは見事の一言です。最後に、柔らかい歌声の小林歌穂さんがそっと音楽を閉じていくという構成は、最高としか言えません。

悪ガキエビ中参上

もう一つ嬉しいのが、3作目までのエビ中に合った悪ガキ成分が復活してきたことです。閉鎖されているテニスコートに侵入して、やりたい放題。

私立恵比寿中学「BLUE DIZZINESS」MV(https://youtu.be/UjM8t6g0w_8?si=DMKTRhADQ9Mu8MVW)より

私立恵比寿中学「BLUE DIZZINESS」MV(https://youtu.be/UjM8t6g0w_8?si=DMKTRhADQ9Mu8MVW)より

「お腹出し過ぎ、校則はどうなっているんだ!」という桜木心菜さん。

私立恵比寿中学「BLUE DIZZINESS」MV(https://youtu.be/UjM8t6g0w_8?si=DMKTRhADQ9Mu8MVW)より

「それは乗って遊ぶものではないです、降りて下さい!」という仲村悠菜さん。

私立恵比寿中学「BLUE DIZZINESS」MV(https://youtu.be/UjM8t6g0w_8?si=DMKTRhADQ9Mu8MVW)より

線路を歩いてはいけません。

私立恵比寿中学「BLUE DIZZINESS」MV(https://youtu.be/UjM8t6g0w_8?si=DMKTRhADQ9Mu8MVW)より

私立恵比寿中学「BLUE DIZZINESS」MV(https://youtu.be/UjM8t6g0w_8?si=DMKTRhADQ9Mu8MVW)より

恐れ知らずでヤンチャな桜木心菜さんが、年少メンバーの中で最年長という年齢構成になっています。その結果、彼女に引っ張られるように年少メンバーを中心にエビ中の悪ガキ感が増したのです。音楽性を突き詰めていく方向性と共に、悪ガキっぽさが増しており、どこか原点回帰するような空気も感じられるのです。

アルバムに収録される他の曲への期待も高まっていくばかりです。

小林歌穂さんは美しい

当然のことですが、小林歌穂さんはとても美しいです。他のメンバーが襟付きのシャツにトレーナーという組み合わせなのに対して、彼女だけは襟なしのカットソー。素晴らしすぎる。

私立恵比寿中学「BLUE DIZZINESS」MV(https://youtu.be/UjM8t6g0w_8?si=DMKTRhADQ9Mu8MVW)より

大傑作の予感

少しだけ話がそれた気がしますが、このMVを見て、ニューアルバムが大傑作になる予感に打ち震えています。

今の年齢構成のエビ中にしかできない、新しいエビ中の形を示してくれるアルバムになることでしょう。メンバーの個性を最大限に活かした、エビ中にしかできない最高のアイドルポップスになるのだと確信しています。